
「死にたい」と言われたら ――自殺の心理学 (ちくまプリマー新書)
末木新
この本について
「誰かに“死にたい”と言われた時、どう向き合えばいいのか分からない」。日常にそんな不安がふと顔を出すことってありますよね。正しく答えられなくても変なことを言って傷つけたくないし、自分の心まで重くなっていく感じがして、距離の取り方にも迷う。僕自身、このあたりの感覚にずっと整理のつかないところがありました。 この本が助かったのは、特別なスキルを求めるんじゃなくて、「人が死にたくなる仕組み」と「私たちのふつうの反応」を地続きのものとして説明してくれた点です。たとえば、励ましが逆に効かないケースがある理由とか、沈黙すら意味のある関わりになることとか、言われてみれば自然なのに、日常ではつい忘れてしまう視点が丁寧に置かれています。また、相談を受ける側がしんどくなりすぎないように、どのレベルまで自分が関わりやすいのかを事前に考えておくという発想も、この本で初めて腑に落ちました。 どちらかといえば、万能の答えを教えてくれる本ではなく、「分からないまま関わる」ための足場を作ってくれるタイプです。誰かの話を受け止める時、自分を守りながらも誠実でいたい人にしっくりくると思います。自分の中にある怖さやためらいを否定せずに、もう少しだけ人と近づけるようになる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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