
地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団 (講談社文庫)
森功
講談社 / 2022-09-15
この本について
最近、仕事でも私生活でも「自分の見えている世界がどれだけ本物なんだろう」と疑いたくなる瞬間が増えました。書類も人の肩書きも、一度信じてしまえば深く踏み込まずに流してしまう。忙しさの中で、確認したつもりになっている自分にドキッとすることがあります。 『地面師』を読むと、その“盲点”がどれだけ危ういかを具体的な事件の連続で突きつけられます。偽造書類がここまで精巧に作られるのかとか、所有権が一日でAからBへ、さらにCへ移るスピード感とか、現実の世界がこんな綱渡りで動いているのかと背筋が伸びます。しかも犯行グループが十人前後で役割を分担し、法律家まで巻き込んで進める組織性には、単純に「注意しよう」では届かない迫力がありました。 個人的に一番刺さったのは、地面師が最初は“普通の地上げ”から入るという話です。いきなり怪しく見えないからこそ、私たちの日常でも同じように、最初の違和感を見逃した瞬間から崩れていくことがあるんだろうなと思わされました。 華やかな商談の裏側や、不動産取引の影の仕組みを知りたい人だけでなく、「人を見るときの勘や確認の基準をアップデートしたい人」に静かに効く本だと思います。
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多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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