
戦争と哲学 (マイナビ新書)
岡本裕一朗
マイナビ出版 / 20231128
この本について
最近、ニュースを見ていても、Xを眺めていても、「戦争って結局なんなのか」「誰がどんな理屈で正当化してきたのか」が頭の中でぐるぐるすることってありませんか。自分でも判断したいのに、歴史も思想もごちゃっとしていて、つい表面的な理解のまま止まってしまう感じです。僕自身もずっとその状態でした。 この本は、戦争そのものを肯定するか否か、という単純な話ではなく、各時代の哲学者がどんな背景でその立場を取ったのかを丁寧に説明してくれます。例えば、アウグスティヌスが「自衛のための戦争」を受け入れざるを得なかった事情や、ヘーゲルが平和を「国民がゆるむ状態」と考えていた理由、あるいはホッブズが自然状態を「人間は人間に対して狼」と表現した意味など、単語として知っていても文脈が掴めていなかった部分が一気につながります。さらに、総動員という概念が日本だけの特殊なものではなく、20世紀全体の流れだったことや、テクノロジーが国民の美意識まで変えていった過程など、現代のニュースと地続きの視点が得られるのがありがたいところです。 戦争や政治思想の話は、どうしても感情的な意見に流されやすいですが、この本は「当時の人はこう見ていた」という理解の踏み台をくれます。自分の意見を作るための材料を集めたい人に向いている一冊だと思います。特に、単語やスローガンではなく、思想が生まれた背景ごと理解したい人には刺さるはずです。
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