
スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想 (集英社新書)
波戸岡景太
集英社 / 20231017
この本について
日々、情報に追われていると、自分の感情や感覚がどこまで本物なのか分からなくなることがあります。とくに写真やSNSの流れに触れていると、何か大事なものが摩耗していくような感覚が残るんですよね。強いわけでも弱いわけでもない、ただ「脆さ」を抱えたまま立ち尽くしてしまう瞬間があるというか。 この本でスーザン・ソンタグを辿っていくと、その“脆さ”をどう扱うかを、感情論ではなく思考の積み重ねで示してくれます。写真と人間の関係がいつの間にか節操のないものになってしまった理由や、痛みと脆さがどんなふうに私たちの身体や精神に入り込むのかを見つめ直すことで、自分が何に揺さぶられているのかが少し見えてきます。気合で乗り越える系の話ではなく、世界との距離感を調整するための視界が静かに広がる感じです。 とくに「自分の弱さをたださらけ出せばいいわけではない」とする視点は、SNS的なコミュニケーションに違和感を抱いてきた人には深く刺さるはずです。ソンタグが人生をかけて向き合った脆さは、現代を生きる私たちが避けて通れないテーマでもあります。 こんな人に刺さると思います。自身の感情や感覚の揺れを、もう少し丁寧に扱ってみたい人。
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