
僕の殺人計画
やがみ
KADOKAWA / 2023-11-07
この本について
人間関係でも家族でも、相手のためと思ってやったはずのことが、後から「これって結局自分の都合じゃないか」と気付いてしまう瞬間ってありますよね。正しさに自信が持てないまま、それでも日々なんとかやっている感じ。僕もけっこうそこでつまずきます。 『僕の殺人計画』は、そんな“自分と他人の境界”みたいな部分を静かに揺さぶってきます。親が子どもに与える常識はどこから来ているのかとか、死にたいと思う人と生きたいと思う人が見ている景色のズレとか、普段は考えないことを直視させられるんですが、説教っぽさがないんです。むしろ、物語の中の会話を追ううちに、「自分も知らないうちに誰かを追い詰めていたかもしれないな」とか、「逆に、自分が抱えてきた違和感はこういう構造だったのかもしれない」と、静かに視点がズレていく感覚があります。 特に刺さるのは、才能や環境を“当たり前”だと思い込んでしまう怖さや、善意の裏にあるエゴに気付けないまま人を縛ってしまう瞬間の描き方です。大げさにまとめず、日常の会話の延長みたいな温度のまま切り込んでくるので、読みながら妙に自分ごととして受け止めてしまうんですよね。 自分と他人の距離感が分からなくなることがある人、家族との価値観のズレにモヤッとした経験がある人には、かなり深く届くと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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