
THE CRM: EC上場企業を一気にV字回復させた闘いの全記録
大山 公一、服部 隆幸
この本について
数字を追っていると、いつの間にか「KPIをどう動かすか」ばかり考えてしまって、肝心の“お客さんが今どこにいるのか”を見失う瞬間があります。僕もよくやってしまうのですが、施策が増えるほど視界が濁っていくんですよね。売れていない商品をなんとかしようと躍起になるのも、その典型だと思います。 この本が面白いのは、そうした思考のクセを一度ひっくり返してくれるところです。売れないB商品に執着するのではなく、伸びているA商品をさらに伸ばすという視点の転換。それに加えて、「お客さんはいまどの段階にいて、次にどういう動きをしたいと思っているのか」という“現在地”の概念が、とても具体的に語られています。感覚ではなくログで現在形の行動を捉え、プロセスとして積み上げていく姿勢は、マーケティングの本というより、仕事全般の思考整理に近い感触がありました。 特に印象に残ったのは、顧客へのアクションを属人化させないために、まず理念や基準をつくるという話です。施策の良し悪し以前に、ここが揃っていないと全部がブレる。耳が痛いですが、現場で起きがちな混乱の正体をすごく丁寧に言語化してくれています。 “数字じゃなくて、人の動きをちゃんと見たい”と思っている人に刺さる一冊だと思います。こういう視点、もっと早く知りたかったなと感じました。
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