
こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方 (集英社ノンフィクション)
養老孟司, 中村桂子, 池澤夏樹, and 春山慶彦
この本について
最近、頭でわかっているのに身体がついてこない感覚がよくあります。スマホで何でも調べられるし、仕事も数字で管理されるし、気づけば「正解のある世界」ばかりで暮らしている。でも、それに少し息苦しさを覚えている、という人は多いんじゃないでしょうか。僕もその一人です。 この本に出会ってまず救われたのは、「そんなに一生懸命やらなくてもなんとかなる」という視点でした。努力至上主義ではなく、むしろ身体感覚や偶然性を取り戻すことの方が、人としての知恵につながる。ジャガイモを並べて干し草をかぶせただけで育つ、という話なんてまさにそうで、やり過ぎるほど管理しない方が物事が回ることもあるんだよな…と、妙に腑に落ちました。 もう一つ刺さったのは、「入力だけの人生」になりがちな現代では、身体を動かす体験そのものが学びになる、というところです。森に行く理由を求めるより、とりあえず行ってみて、戸惑いながら自分なりの楽しみ方を見つける。そんな小さな入出力の積み重ねが、脳の中に“勝手にできてくるルール”を育てるという話は、仕事にも育児にも関係してくる感覚でした。 きっちり答えを求めがちな人より、「最近ちょっと考えすぎてる気がする」という方に向いている本です。自然の話が中心ではありますが、そこで語られているのは結局、人の生き方そのものなんだと思います。
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