
ナチュラル・リーダーシップの教科書――「理論」ではなく「感覚」だった
小日向素子
この本について
部下の反応に振り回されたり、つい「正しい答え」を探しにいってしまったり、自分の経験がむしろ邪魔をしている気がしたり。リーダー業をしていると、こういうモヤモヤが静かに積もりますよね。頭では冷静にいようとしても、相手の感情にどう向き合えばいいのか分からなくなる時があります。 この本が面白いのは、「リーダーシップ=理論やスキル」という前提をいったん外し、まず自分の感覚を取り戻すところから始める点です。例えば、部下が感情的に見える場面で、言葉より先に「声が震えている」「目がうるんでいる」と受け取るだけで、こちらの構えが変わり、無理に“正しく対応しよう”としなくてよくなる。あるいは、「なぜあの人にばかり仕事を振っていたのか」を、自分の安心感から振り返ることで、状況の本質が見えてくる。こういう地味だけど確かな変化が積み重なっていく本です。 もう一つ刺さったのは、経験やパターン認識に頼り切ることの危うさを指摘しているところ。業界の常識を横に置く“アンラーニング”の話もあり、自分が無意識に何に縛られているかをそっと見せてくれます。固定化したリーダー像を外しながら、相手をコントロールしようとせず信頼に寄り添う感覚が、少しずつ育っていく感じです。 「部下への関わり方に違和感があるけど、強いリーダー像にも馴染めない」という人には、かなりしっくり来る一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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