
小田嶋隆と対話する
内田樹
イースト・プレス / 2024-05-21
この本について
日常でモヤモヤする瞬間ってありますよね。誰かの強い断言に空気ごと押し切られたり、議論のはずが「そっちこそどうなんだ論法」にすり替わったり、上下関係に敏感すぎる空気に疲れたり。自分の感覚はそんなに間違っているんだろうか、と立ち止まることが増えている気がします。 『小田嶋隆と対話する』は、こうした「言葉の扱われ方」や「世の中の空気」に引っかかりを覚えている人には、かなり効く本です。断定口調に魅了されてしまう構造や、「経済を回す」という言い方の裏にある非対称、さらには上下関係を基準に動く組織の限界など、普段は見過ごしてしまう風景を、著者二人が丁寧にほぐしてくれます。ただスローガン的に勇気を語るのではなく、「孤立を恐れない」という昔ながらのメッセージを現在の社会にどう接続できるのかが、生活感のある言葉で語られているのも印象に残りました。 読んでいて一番救われるのは、「自分の違和感は、そこまで的外れじゃなかったかもしれない」と思えるところかもしれません。何かを断定するためではなく、言葉がちゃんと生きている状態を取り戻すための視点が、静かに積み上げられています。 強い意見に振り回されがちな人や、「なんとなくおかしい」を言語化したい人には、とくに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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