
ナショナリズムと政治意識~「右」「左」の思い込みを解く~ (光文社新書)
中井 遼
光文社 / 2024-05-15
この本について
政治の話題になると、右とか左とか、誰かが言い切った図式に自分の考えを当てはめようとして、かえってモヤっとすることがあります。自分はどちら側なんだろう、そもそもこの分け方って今の社会に合っているのか…と考え出すと、余計にわからなくなるあの感じです。 この本が助けてくれたのは、「自分の立場が見えにくいのは、自分が無知だからではなく、そもそも右左という軸自体が一本では説明できないからだ」と示してくれたところでした。たとえば、経済的な平等への態度と、社会変化を受け入れるかどうかの態度は別物なのに、私たちは一つの軸に押し込めて考えがちです。また、ナショナリズムを自動的に「右派」と結びつけてしまう思い込みも、本書では丁寧にほどかれていきます。所属の境界をどう考えるのかという視点を入れるだけで、ニュースの見え方がガラッと変わる感覚がありました。 読んでいて特に刺さったのは、移民や福祉の議論で語られる“仕事の奪い合い”の説明が、実証的にはあまり支持されていないという指摘です。自分の中で「なんとなくそう思っていた」部分が、思い込みだった可能性に気づくと、他の論点も一度ほどいてみようという気持ちになります。政治に関する違和感を、感情論だけでなく構造として捉え直す手がかりが増える感じです。 社会の話題に触れるたびに「この分け方で理解するの、もう限界では?」と思っている人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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