
『エミール』を読む
苫野 一徳
岩波書店 / 2024-03-08
この本について
子ども相手でも部下相手でも、「言わないと動かない…」みたいな場面ってありますよね。つい細かく指示したくなるけれど、それを続けるほど相手の呼吸まで奪っていく感じがして、あとから自己嫌悪になることがあります。ぼく自身、何かを教えようとするほど空回りしてしまう時期がありました。 『エミール』を読むを手に取って刺さったのは、「自然に任せる」とか「放任する」という話ではなく、もっと具体的に“子ども(相手)の力が働く余白をどうつくるか”が語られていたところです。例えば、何でも先回りして奪わないこと、自分で選び動いた経験がその後の自由につながること、遊びや失敗の中にこそ本物の学びがあること。どれも現場のイライラや不安に直接触れてくる言葉でした。 この本は、教育についての名著を丁寧に読み解きながら、「口出ししすぎる不安」と「任せる怖さ」のあいだで揺れる人に、少しだけ違う風の通し方を示してくれます。子どもに限らず、誰かの成長に関わる立場の人なら、自分の行動が変わるきっかけになると思います。 「見守りたいけど、どう見守ればいいのか分からない」という人に静かに効く一冊です。
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