
アーキテクトの教科書 価値を生むソフトウェアのアーキテクチャ構築
米久保 剛
翔泳社 / 2024-07-22
この本について
システム開発に関わっていると、「要望と要求って結局どう違うんだっけ」「技術的負債を返したいのに、目の前のリリースに追われて動けない」「ERPのカスタマイズ、本当にこの方向でいいのか…」みたいなモヤモヤが積み上がっていく瞬間があります。自分も何度もそこに立ち止まりました。 この本は、そんな曖昧なモヤモヤを一度 “言葉と構造” に落とし直してくれる感じがあります。たとえば、要望・要求・要件の違いを丁寧に分けてくれることで、プロジェクトの初期から話がかみ合わない理由が腑に落ちますし、ユースケースをどう扱えばブレなくなるのかも実務レベルで理解できます。また、技術的負債がなぜ生まれ、どう向き合うべきかを過度に理想論に寄らず説明してくれるので、現場で判断に迷う時の軸になります。Fit to Standard の話も、「結局どこを標準に寄せて、どこを個別開発すべきか」という現実的な線引きのヒントとして読めるはずです。 特に、アーキテクチャを“目的ではなく手段”として扱う姿勢は、忙しい現場ほど救われるところだと思います。すべてを満点にするのではなく、どの制約下で何を優先するかを冷静に考える視点をもらえる一冊です。 業務システムやプロダクト開発で「判断の拠り所がほしい」と感じている人には、とても静かに効いてきます。
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