
なぜ悪人が上に立つのか―人間社会の不都合な権力構造
ブライアン・クラース and 柴田 裕之
この本について
仕事でも組織でも、「なんであの人が権限を持ってるんだろう…」と感じる場面ってありますよね。自分の感覚が間違ってるのか、ときどき不安になるんですが、この本を読むと、むしろモヤモヤのほうが正しかったのかもしれないと思えてきます。 面白いのは、悪意ある人が権力を握るのは“性格の問題”だけじゃなく、私たちがどうリーダーを選んでしまうのか、その仕組みそのものに原因があると示してくれるところです。背が高い人を無意識に選びやすいとか、心理的距離がある相手には簡単に害を与えてしまうとか、普段あまり意識しないポイントがじわじわ効いてくる。さらに、採用広告の言葉選びひとつで応募者の層が大きく変わるという話は、職場づくりを考えるうえでひどく刺さりました。 もう一つ救いなのは、現実的な改善策が提示されていることです。人事異動を増やす、ランダムに市民を選んで監督させる、結果ではなく意思決定のプロセスに目を向ける…。どれも派手さはないけれど、腐敗を“構造ごと”弱らせるための手立てとして納得感があります。 「組織の力学に疲れたけれど、諦めたくはない人」に合う一冊だと思います。自分の職場をどう見るかが、少し変わります。
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