
教養としての日本改造論
茂木 健一郎 and 山口 周
President Inc / 2025-10-30
この本について
仕事でも日常でも、「どれが正解なんだろう」と決めかねたまま動けなくなることがよくあります。特に情報が多い時代ほど、自分の基準がどこにあるのか分からなくなって、気づけば他人の意見に合わせてばかり。僕自身、そういう迷いが抜けずにいた時期に、この本のいくつかの視点に救われました。 たとえば、売れる商品が必ずしも経済合理性から生まれていないという話。あれは、無理に流行や理論を追いかけなくてもいいんだ、と肩の力が抜けました。結局は人間の衝動や「これを作りたい」という熱にこそヒントがある。仕事で判断に迷っていたとき、この考え方はかなり効きました。また、「風が立つ」に象徴される、不確実性の中で一歩踏み出す姿勢の話も、妙に実感を伴って刺さりました。確実なものなんてないけれど、それでも動かないと前には進まない。そう思えるだけで、翌日の小さな行動が変わりました。 さらに、日本が自分の文化の価値をうまく言語化できず、海外に先に評価されてしまうというくだりは、僕ら自身が無自覚に手放しているものの多さを気づかせてくれます。これは個人のキャリアにも重なります。自分の美意識や価値観を言葉にしていないと、簡単に「他人の暦」で動かされてしまうんですよね。 自分の基準を失っている気がする人、自分の価値観をもう一度確かめたい人には、静かに効いてくる本だと思います。
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