
何とかならない時代の幸福論
ブレイディ みかこ、鴻上 尚史
株式会社朝日新聞出版 / 2021-01-20
この本について
就職や評価の話になると、つい「正解を外したら終わるんじゃないか」という気分になることがあります。働き方も価値観も揺れる時代なのに、自分の判断で動くより“失敗しない道”を探してしまう。頭ではわかっていても、実際にどう考えればいいのかはいつも迷います。 この本は、そういうモヤモヤに対して「正解を出すことより、生きていくための考え方を整える」方向で効いてきます。たとえば、学生が就職だけに意識を集中させてしまう背景を丁寧に扱いながら、答えが出ない問題にどう向き合うかを語ってくれること。あるいは、日本の学校で“自分の判断で水を飲ませない”ような場面がなぜ起きるのか、そこから社会全体の構造までつないで見せてくれること。どれも、大きなテーマに聞こえるけれど、日常の判断の迷いと地続きなんだと感じました。 読みながら、すぐに結論を出さなくてもいいことに少しだけ安心したり、他者の立場を想像する力が、実は仕事や人間関係にもそのまま繋がっていることに気づいたりします。自助か公助か、といった話も押しつけではなく、「自分はどう捉えているのか」を考えるきっかけとして扱われていて、肩に力が入りません。 正解探しに疲れている人や、社会の大きな話題を“自分ごと”として理解したい人にはとても刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの68%が集中しています。
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