
人生がうまくいく 哲学的思考術 (白取春彦の思考術)
白取春彦
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2017-02-24
この本について
仕事や人間関係で判断に迷うとき、「正しい答えがどこかにあるはずだ」と考えて身動きがとれなくなることがよくあります。頭では割り切れないのに、答えだけはスマートに出さなきゃいけない気がしてしまう。僕も同じで、気づくと“うまくやる方法探し”にばかり意識が向いていました。 この本がおもしろいのは、そんな焦りにいきなり処方箋を出すのではなく、「そもそも考えるとはどういうことか」「人生における判断の重さをどう扱うか」という足場から見直させてくれるところです。たとえば、決断は正誤で測るものではなく、自分で引き受けるところからしか前に進まないという話や、相手の言葉の向こう側を汲み取ろうとする姿勢こそ理性的な聞き方だという指摘は、日常の小さな迷い方を確実に変えてくれます。また、世界観や信念のようなものは人を縛る一方で、揺れたときの固定点にもなるという視点も、ちょっと肩の力が抜けるものでした。 読み進めるうちに、「正しく考える」よりも「自分が生きた実感を取り戻す」ほうが大事なのかもしれない…と静かに向きを変えさせられます。論理より経験、人の言葉より自分の表現、恐れよりも関わり。それを急かさず押しつけずに示してくれるのが、この本のありがたいところです。 行動や判断に“正解探しの癖”が染みついている人ほど、じわっと効く一冊だと思います。
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