
プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 (ハヤカワ文庫SF)
アンディ ウィアー and 小野田 和子
早川書房 / 2026-01-22
この本について
仕事でも日常でも、未知のものに向き合うときって「判断材料が足りないまま決断しなきゃいけない」みたいな場面が多くて、そこで自分の小ささに落ち込むことがあります。正しいかどうかもわからないまま手探りで進む、あの感じです。 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の抜粋を読むと、まさにその「手探りで進む」過程が丁寧に描かれていて、妙に励まされるんですよね。異星生命の筋肉構造を前にしても、言語の壁があっても、主人公はとにかく観察して、仮説をつくって、失敗しながら進む。異常な状況を「いつの間にか普通に受け入れてしまう」人間の順応性にも触れていて、自分の生活の小さな混乱ならまだ何とかなる気がしてきます。 そして、科学者としてのプライドや迷いがにじみ出る場面も多くて、ただの宇宙SFにとどまらず、「自分は何を大事にしていたのか」を静かに揺さぶってきます。異星人とのファーストコンタクトより、自分が正しかったかどうかに一瞬ほっとしてしまうあの感じ、すごく人間らしくて救われるんですよね。 未知に対して慎重だけど、前に進みたいと思っている人に刺さる一冊だと思います。
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