
「やっぱり怖くて動けない」がなくなる本
石原 加受子
すばる舎 / 2012-04
この本について
人の機嫌を読んでばかりで、気づけば一日中「相手がどう思うか」を気にしてしまうことってありませんか。やるべきことがあっても、頭の中で説明や正当化ばかりが回って、実際の行動はまったく進まない。動けない理由が“怠け”ではなく、“恐れ”にあることは、なかなか自分では見えにくいものです。 この本が面白いのは、行動できない背景にある「他者中心」の思考を、日常のごく小さなシーンから描き出してくれるところです。例えば、朝起きた瞬間に自分の体調や気分ではなく、“今日やらなきゃいけないこと”に意識が飛んでいくクセ。あるいは、りんごを選んでもみかんを選んでも結局後悔するような、“自分の選択そのものを信じられない状態”。読んでいて、自分も同じ回路で動いていたことにひやっとしました。行動しないのは意志が弱いからではなく、頭で処理しようとしすぎて感覚が置き去りになっていたからなんだ、と。 もう一つ印象に残ったのは、「しなければならない」という思い込みが、気づかないうちに恐れを量産しているという指摘です。休む判断すら罪悪感で曇ってしまうタイプの人間には、これはかなり刺さるはずです。著者はそれを責めるでも美化するでもなく、ただ“自分中心に戻る”という現実的な方法として描いてくれます。 自分の気持ちを後回しにしてしまう人や、いつも頭の中が忙しくて疲れてしまう人には、静かに効いてくる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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