
僕の孤独癖について
萩原 朔太郎
この本について
人と会うと疲れるのに、ひとりでいるとそれはそれで不安になる時ってありませんか。交際が苦手というより、相手に合わせ続ける自分に違和感があって、気づいたら距離を置いてしまう。でも、だからといって孤独そのものを肯定しきれるわけでもない。そんな揺れの中にいる人には、萩原朔太郎のこの随筆が妙にスッと入ってきます。 彼は「孤独は天才の特権だ」といった哲学者の言葉を引きつつも、自分が孤独でいるのは格好つけた選択ではなく、単に人と折り合いをつけるのが下手だからだ、とあっけらかんと語ります。そこにまず救われます。そして、青年期の強迫観念や幻覚に悩まされながら、それでも年を重ねるうちに少しずつ神経が図太くなり、孤独との距離感も変わっていく姿が、静かに現実的です。孤独を美化しないけれど、拒絶もしない。その曖昧な場所に立つ視点が、今の自分の立ち位置を整理してくれる感じがあります。 たまに会う友人がやけに愛おしく感じる理由や、社交そのものに疲れる仕組みも丁寧に語られていて、「自分だけの癖ではなかったのかもしれない」と思えるのが、この本の一番の効き目です。ひとりでいることに少しでもモヤつきを抱えている人には、特に刺さると思います。
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