
硝子のハンマー 「防犯探偵・榎本」シリーズ (角川文庫)
貴志 祐介
KADOKAWA
この本について
仕事でも日常でも、頭では分かっているのに物事が噛み合わないときってありますよね。締切は守りたいのにズルズル延びるとか、「もっと良いやり方があるはず」と考えすぎて動けなくなるとか。自分の中にある矛盾を持て余して、少し疲れてしまうあの感じです。 『硝子のハンマー』を読んでいると、そのモヤモヤが少し整理される瞬間がありました。登場人物たちが抱える「若さの脆さ」と「爆発的なエネルギー」の両立は、多分どの時代の自分にも心当たりがありますし、できる人ほど陥りがちな“断片的な思いつき”と“本当に機能する計画”の違いも妙に刺さります。最初に決めたデッドラインを絶対に動かさない、という姿勢も、現実のタスク管理を考えると背筋が伸びる部分でした。 そして、物語そのものはミステリですけれど、抜粋にあるような視点の転換が随所にあって、読む側の思考の癖まで浮き上がらせてくれる感じがあります。自分の矛盾や弱さを否定せず、「それでもどう動くか」を静かに問われているような読後感でした。 ものごとを組み立てる力に不安がある人、あるいは自分の脆さとうまく付き合いたい人には、特に届くと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの41%が集中しています。
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