死なないでいる理由 (角川ソフィア文庫)

死なないでいる理由 (角川ソフィア文庫)

鷲田 清一

累計読者数4
平均ハイライト数 13.5件/人
推定読了時間 約4時間26分
star総合評価 48/100
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この本について

生きている理由を言葉にしようとすると、急に足元がスカスカする感じってありませんか。家族との距離感に悩んだり、誰かに必要とされている気がしなかったり、「自分って結局なにでできてるんだろう」と考えはじめると、ふと不安になる。かといって、元気が出るスローガンを求めているわけでもない。ただ、今の自分の輪郭がぼんやりしている理由を、少しでも掴みたいだけで。 鷲田清一さんの『死なないでいる理由』は、そのぼんやりに輪郭を与えてくれた本でした。自分という存在が「他者の意識の宛先」として形づくられてきたという視点は、孤独に陥りがちな思考をやわらかくほぐしてくれるし、「個性は先にあるのではなく、やりとりの中で見えてくる」という話も、無理に“自分らしさ”をつくらなくてもいいんだと思わせてくれます。また、家族や親密さの問題を語る部分では、依存と自立のあいだで揺れる私たちの実感に、そのまま言葉を与えてくれるようでした。 読みながら、「ああ、自分はひとりで閉じて考えすぎていたな」と気づかされる場面が何度もありました。誰かと適度な距離をとりながら、それでもつながりの中に身を置いていく。そんな生き方を丁寧に考えたい人に刺さると思います。 勢いづける本というより、じわっと心の温度を戻してくれる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

生きること、老いることの意味。現代はそういう問いを抱え込んでいる。わたしが他者の宛先でなくなったとき、ひとはわたしを喪う。存在しなくなる。そんな現代のいのちのあり方を滋味深く綴る哲学エッセイ。
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