
真釈 般若心経 (角川ソフィア文庫)
宮坂 宥洪
KADOKAWA / 2004-08
この本について
日々の仕事や生活の中で、自分の考え癖や感情に振り回されてしまう瞬間ってありませんか。逃げたいのに逃げ場がなくて、結局いちばん厄介なのは自分そのものだな…と気づくあの感覚。般若心経を読んでも抽象的に感じてきた自分には、この本がその霧をほどくように働きました。 特に刺さったのは、「空」と「無」の違いを丁寧に分けてくれるところです。自分の中のつかみどころのない不安を「全部ないことにする」のではなく、「どう成り立っているか」を見にいく方向へ連れていってくれる感じがありました。日常の心がいくつもの檻に閉じ込められている、という説明も妙にリアルで、なぜ同じ悩みをぐるぐる考えてしまうのかの構造が腑に落ちます。また十二縁起を「生=生活」と読んでいく視点も、仏教が突然遠いものではなく、毎日の自分の行動そのものの話に変わっていくところが印象的でした。 経典の細かな表記や成り立ちを追いかけていく章もありますが、単なる知識ではなく「そもそもこれは何を指しているのか」を一緒に探るスタンスなので、読んでいて置いていかれにくいです。マントラとしての般若心経という説明は、長年なんとなく唱えてきた人ほど視界がひらけるかもしれません。 「自分の悩みの正体を、思想としてではなく構造として見たい人」にしっくりくる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
読書の順序
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