
ハイペリオン(上)
ダン・シモンズ、酒井 昭伸
早川書房 / 2000-11
この本について
仕事でも日常でも、自分の言葉がうまく届かない瞬間ってありますよね。伝えているはずなのに齟齬が生まれたり、自分の考えさえ曖昧に感じたりして、ふと「言葉ってなんなんだろう」と立ち止まってしまう時があります。そんなモヤモヤの延長線上で『ハイペリオン(上)』を読むと、ただのSFではなく、言葉に振り回されて生きている自分の姿がじわっと浮かび上がってくるんです。 この物語では、言葉によって世界が変わり、同時に言葉が人を欺く場面も丁寧に描かれます。人は自己欺瞞の中でどこまでも賢くなれるし、逆に深い誤解に落ちてもいく。言葉が概念を孕み、人の思考そのものを形づくってしまう様子を読むと、自分の「考えているつもり」がいかに言葉に依存しているのか、ちょっと怖くなるほどです。それなのに、詩人だけが宇宙を押し広げる近道を見つけられる、と描かれるあたりは、言葉に救われる可能性も確かにあるんだと気づかされます。 巡礼たちがそれぞれ異なる時間感覚や体験を抱えて集まり、ピースを持ち寄るように物語っていく構図も、自分の視点がどれだけ限定的なのかを思い知らされます。誰もが孤島みたいに生きているけれど、それでも語り合うことで少しずつ形になるものがある。この距離感は、他人とうまく共有できないことに悩む人ほど沁みるはずです。 何かを「うまく言えないまま抱えてしまうタイプ」の人に、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの57%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要





