
今日の芸術~時代を創造するものは誰か~ (光文社知恵の森文庫)
岡本 太郎
光文社 / 1999-03
この本について
仕事の時間が長くなるほど、「自分が何をしているのかよく分からない」「楽しいはずの遊びまでどこか空虚」という感覚が出てきますよね。僕も同じで、常識どおりに動いているのに、気づけば自分の輪郭が薄くなるような時期がありました。そんなときに読むと視点がガラッと変わるのが、岡本太郎の『今日の芸術』でした。 この本は芸術論ではあるんですが、読んでいると「生きるって何だろう」を真正面から問われているように感じます。たとえば、一日の大半を単一の仕事に費やしているうちに自分の全体性を見失ってしまう、という指摘。これが妙にリアルで、今の社会の感覚と地続きなんです。そして、理解できないものを遠ざけず、むしろ自分の判断が揺さぶられるものにこそ、新しい価値が潜んでいるという視点も救いになります。分からないものに出会ったとき「自分の感度が鈍いのかな」と萎縮しがちな人ほど、ここが効くと思います。 さらに、楽しんでいるはずなのに満たされない理由を「生命からあふれ出るよろこびが欠けている」と説明するくだりは、表面的な刺激に慣れた日々を一度リセットしてくれます。芸術を特別なものとして持ち上げず、誰の内側にもあるエネルギーの回復として語るので、自分の生活に引き寄せて読めるんです。 「最近、自分の感覚がどこか濁ってきた気がする」という人に特に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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