現代アート経済学 (光文社新書)

現代アート経済学 (光文社新書)

宮津 大輔

累計読者数7
平均ハイライト数 5.9件/人
推定読了時間 約4時間54分
star総合評価 39/100
start序盤集中型

この本について

現代アートって面白いはずなのに、「正直どこから触っていいのか分からない」とか、「作品そのものより、裏側の構造のほうが気になる」という感覚を持つことがありませんか。自分もずっとそのモヤモヤを抱えていて、展覧会に行っても“理解した気がしないまま帰る”日が多かったです。 そんな時に読んで腑に落ちたのが、この『現代アート経済学』でした。アートの価値がどう作られ、どんな力学で動いているのか――そういう裏側が静かに、でも徹底的に描かれています。強制収容所跡を歩かせるインスタレーションのように、作品が歴史や土地と結びつく仕組みもあれば、外交や国家予算にまで影響するスケールの話も出てきます。読んでいるうちに「アートって個人の感性だけで完結するものじゃないんだな」と視点がひっそり変わっていきます。 特に刺さったのは、パトロンや公立美術館の働きのような“見えない支え”の話です。日本では市場が小さい分、誰がどの役割を担っているのかが分かりにくい。でも、その構造を理解すると、展示やニュースの受け取り方が少し変わります。作品を見る時も、作者・場所・政治・経済がどう絡んでいるのかを自然と想像できるようになる。自分にとってはそこが一番の収穫でした。 アートを「感性の世界」として距離を置いてきたけれど、実は社会そのものを映す鏡なんじゃないか——そんな感覚がほしい人に届く一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

アートは経済や政治と密接に関係している―。そしていま、世界の国々は文化政策に多額の予算を割き、芸術分野の対外発信事業に力を入れている―。それはなぜか。「経済的な都市おこし」を目的としたヴエネツィア・ビエンナーレに代表される大規模国際展、経済動向を色濃く映し出す「アートフェア」やアジアのオークション事情、さらにはギャラリストやキュレーターといった「時代を動かすキー・プレイヤー」の動きから、美学や美術史の観点では語られることのない、「現在進行形・アートの見方」を包括的に示すとともに、日本の文化的プレゼンス向上に向けたヒントを探る。
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