
白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)
湊かなえ
集英社 / 2014-02-25
この本について
人の噂に巻き込まれたとき、自分でも気付かないうちに誰かを「こういうタイプだろう」と決めつけてしまう瞬間ってありますよね。あとから振り返って、なんであんなに早く断定してしまったんだろう…とモヤモヤすること、僕もよくあります。 『白ゆき姫殺人事件』の抜粋を読むと、多くの人が刺さっているのは、容姿や噂で人を判断してしまう世界の息苦しさと、その中で普通の人がどう流されていくのか、という部分なんだと思います。美人は性格が悪いとか、地味な人は裏で何か抱えてるとか、妙に“物語的なイメージ”で人を見る癖を、僕らは知らないうちに身につけてしまっている。けれど本書を読んでいると、その視点がどれだけ危ういかを、具体的な会話や関係のズレを通してじわじわ突きつけられます。 この作品が効くのは、まず「噂の裏側には、当事者の言葉よりも“語られた物語”が積み上がっていく」というリアルを見せてくれるところ。さらに、善意っぽい同情すら誰かを追い詰める武器になり得る、という現実を描いていて、自分が普段どんなふうに他人をラベリングしているのかを静かに振り返らされます。読み終えたあと、職場や友人関係の会話で、相手の言葉を少し慎重に受け取るようになるのは、この本の効き方としてかなり現実的だと思います。 とくに「人間関係の評価を、他人の話だけで決めがちだと感じている人」には深く刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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