
2100年の科学ライフ
ミチオ・カク and 斉藤 隆央
NHK出版 / 2012-09-27
この本について
未来の話題っておもしろいのに、いざ自分の生活にどう関係するのか考えると、途端にふわっとしてしまうことが多いですよね。技術はすごいスピードで進んでいるのに、自分は何を判断軸にして動けばいいのか、なんとなく置いていかれる感覚がある。僕もよくそこで立ち止まります。 『2100年の科学ライフ』が面白いのは、未来の技術を「夢物語」として語らず、既存の物理法則や今ある研究の延長として描いているところです。だから、読んでいると遠い世界の話というより、「もしこういう前提が整ったら、社会や人の行動はこう変わる」という読み方ができる。例えば、ナノテクや医療の話は、いまの医療現場の限界がどこで、どこから先が技術の領域なのかが自然と見えてきます。また、テクノロジーの進歩よりも人間の原始的な欲求が強く出る場面がある、という指摘は、自分の行動を振り返ると妙に腑に落ちるんですよね。 結局、未来予測というより「人間と技術の距離感をどう考えるか」という本で、読んだあとに日常の選択をちょっと丁寧に見直せる感じがあります。将来の働き方や生活を長期で考えたいけれど、派手な言い切りには疲れてきた人に刺さる気がします。
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