
任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代 (角川新書)
牧野 武文
KADOKAWA / 2015-06-08
この本について
ものづくりでも仕事でも、「もっと予算があれば」「最新技術が使えれば…」とつい考えてしまうことが多いですよね。自分もそこに頼りたくなるタイプで、限られた条件の中で工夫するのが一番つらい。でも、この本を読んでいると、その“制限”そのものにヒントが埋まっていることを何度も思い知らされます。 横井軍平がやっていたことは、最先端を追うのではなく、あえて古い技術をじっくり眺め直すこと。枯れた技術をどう組み合わせれば、別物として立ち上がるのか。マリオの鼻や帽子の造形が「技術的にできないところを避けるため」だった話もそうで、制限があるからこそアイデアが跳ねる場面が何度も出てきます。読みながら、自分の仕事でも「まだ使い道を見落としている古い部品」がある気がしました。 さらに印象的だったのは、ウォークマンの例のように、技術そのものではなく“使われるシーン”から発想しているところです。任天堂の携帯ゲームも、持ち運べることより、どんな空間で遊ぶと化学反応が起きるかを起点にしている。これは、プロダクトに限らず、日々の企画や提案にもそのまま置き換えられます。 最新よりも“見落とされているもの”に光を当てたい人に刺さる一冊です。制限の中で身動きが取りづらいと感じているときほど、横井軍平の視点が静かに効いてきます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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