
人間はどういう動物か (ちくま学芸文庫)
日高敏隆
ランダムハウス講談社 / 2008-06
この本について
最近、人間ってなんなんだろう…とふと思うことが増えました。利他とか調和とか言いつつ、実際の行動はぜんぜんきれいじゃないし、でも自分では理由を説明できないクセや欲求もある。そんなモヤモヤを放置したまま日々を回していると、ふと立ち止まったときに自分の輪郭がよく分からなくなるんですよね。 日高敏隆『人間はどういう動物か』は、そういう時に「いったん人間を動物として見てみる」という視点をくれる本でした。ロマンではなく、生物としての仕組みから人間を見ると、戦争も恋愛も共生も、思っていたより“きれいごと抜き”の話になる。たとえば、自然界の調和はだれかが守っているわけじゃなく、利己のぶつかり合いの結果として落ち着いているだけだという話は、人間社会にもそのまま重なる感覚がありました。また、髪やおっぱいの話のように、普段あたり前に思っている身体の特徴が、進化の文脈で見ると急に説明可能になる瞬間は、自分の思考癖をひとつ外してくれる感じがあります。 結局この本は「自分の判断がどこから来ているのか」を静かに問い直させるんですよね。利己と学習と進化の境目を知ることで、いまの自分を責めすぎず、でも流されすぎない距離感が持てるようになる。人間観を一度リセットしたい人に刺さると思います。
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