妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ文庫NF)

妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ文庫NF)

オリヴァー サックス, 高見 幸郎, and 金沢 泰子

累計読者数10
平均ハイライト数 21.7件/人
推定読了時間 約8時間42分
star総合評価 64/100
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この本について

仕事でも生活でも、「自分がいま何を感じているのか」「なぜこんな反応をしてしまうのか」がうまくつかめないときがあります。まわりから見る自分と、自分が感じている自分のズレにモヤっとしたまま、原因がつかめないことも多いと思います。 サックスの『妻を帽子とまちがえた男』を読んでいて感じたのは、人は「機能が失われたから変になる」という単純な話ではなく、失われたものを埋め合わせようとして、必死に工夫したり、奇妙な行動に向かったりする“反応”のほうにこそ、その人らしさがにじむということでした。抽象的な理屈ではなく、患者が世界をどう見ているか、どう手探りで自分を立て直そうとしているかが、生々しいエピソードとして出てきます。特に、外からは理解しづらい内面の在り方があり、判断や感情や衝動といった“主体の根っこ”がどれほど個別的かを読んでいて実感します。 この本は、悩みを一気に解決してくれるタイプではありませんが、「人はそんなにわかりやすくできていないのに、なんとなく“正しく”振る舞おうとして無理してたかも」と気づかせてくれます。自分の違和感をもう少し丁寧に扱いたい人、あるいは他人の行動の背景を急いで決めつけてしまいがちな人には、静かに効いてくる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢が保てなくなってしまった若い母親、オルゴールのように懐かしい音楽が聞こえ続ける老婦人―脳神経科医のサックス博士が出会った奇妙でふしぎな症状を抱える患者たちは、その障害にもかかわらず、人間として精いっぱいに生きていく。そんな患者たちの豊かな世界を愛情こめて描きあげた、24篇の驚きと感動の医学エッセイの傑作、待望の文庫化。
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