
図解 曼荼羅入門 (角川ソフィア文庫)
小峰 彌彦
KADOKAWA / 2016-02-25
この本について
仕事でも日常でも、自分の中に「複数の視点が同居していてうまく扱えない」と感じることがよくあります。理屈では分かっているのに心がついていかないとか、逆に直感はあるのに言葉にできないとか。そのズレをどう扱えばいいのか、いつも迷うんですよね。 『図解 曼荼羅入門』を読んで面白かったのは、曼荼羅そのものがそもそも「相反するものを分けずに抱える世界観」でできているところでした。胎蔵が理、金剛界が智とされているように、静と動、慈悲と智慧といった性質が対立ではなく“相即不離”として描かれている。理屈と感情が揃わない自分でも、どちらかを切り捨てなくていいのだと少し楽になります。また、供養が「我執を離れて他に向かう行為」と説明されていて、日々の仕事の中でも、まず自分のこだわりを一度横に置くという動きが思いのほか効く場面があるなと感じました。そして理趣会の構造のように、欲や慢といった人間くさいものも配置の一部として扱われているのが救いで、「こういう感情が出るのは未熟だから」ではなく、そもそも前提に組み込まれている、と考えられるようになります。 複雑な自分を整理したいけれど、単純化されすぎた答えには物足りなさを感じてしまう人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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