
アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史 (ちくま新書)
瀬川拓郎
この本について
歴史の話って、学校で習った枠組みのまま止まってしまって、「ほんとはどうだったんだろう…」とモヤモヤすることが多いですよね。とくに日本列島の成り立ちや、アイヌや縄文とのつながりになると、一気に霧が濃くなる感じがします。自分も長くそうでしたが、この本を読むと、その霧がゆっくり晴れていくような感覚がありました。 面白いのは、アイヌや縄文を「特別な古代の人びと」として切り離すのではなく、九州の漂海民や本州の祭祀の名残、言語の痕跡まで含めて“いまの日本の地続きの歴史”として再配置してくれるところです。イノシシの骨が大量に出てくる遺跡の話や、舟の上で一生を暮らした西日本の海民の習俗の話など、これまで関係があると思っていなかった地域同士が線でつながっていきます。また、日本語・アイヌ語・朝鮮語・ニヴフ語が、ユーラシアでも珍しい孤立した言語として近くに集中しているという指摘も、地図の見え方を変えてくれました。 「教科書の区切り方では、日本列島の流れをとらえきれないんじゃないか」と感じている人には、特に刺さると思います。大風呂敷を広げるわけでもなく、大発見を押しつけてくるわけでもない。それでも、考古学・言語・民俗が静かに噛み合って、じわっと視界が広がる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの42%が集中しています。
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