
人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」 (中公新書)
篠田謙一
この本について
人のルーツって学校でざっくり習ったきりで、実はよく知らないまま大人になったな…と感じることがありませんか。自分がどこから来たのか考えだすと、いまの価値観や「普通」だと思っているものまで揺れるような、不思議な感覚があります。 『人類の起源』は、そのモヤモヤにちゃんと向き合える一冊でした。縄文人が単一の集団ではなく、四万年前以降に東アジアで別々に広がった系統が合流してできたこと。大陸からやってきた農耕民が在来の狩猟採集民を包み込んでいくという現象が、日本でもヨーロッパでも同じように起きていたこと。こういう具体的な歴史を知ると、いま私たちが「日本人」とひとまとめに呼んでいる存在も、じつは絶えず混ざり合ってできた結果なんだと、視点が自然と広がります。 さらに印象的だったのは、古代DNAがほとんど残っていない中で、研究者がコンタミネーションと戦いながら年代を読み解いていく姿勢です。わからないことが多いからこそ、最新の知見が出るたびに人類史が書き替わる。その「不確かさごと抱える感じ」が、今の時代の変化をどう受け取るかにもつながってくると思いました。 自分の成り立ちや背景をもう一度見つめ直したい人に、特に刺さる本だと思います。
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