
数学する身体
森田 真生
新潮社 / 2018-05-01
この本について
仕事でも日常でも、頭では「わかったつもり」なのに、実感がついてこないことってあります。人の気持ちを理解したいのに距離がある感じとか、数字や概念を扱うときに、どこか自分の身体とズレているような感覚とか。僕自身、この違和感を放置したまま進めなくなることがよくあります。 『数学する身体』は、そのモヤモヤを「気のせい」で片付けず、むしろ丁寧に解きほぐしてくれる本でした。たとえばミラーニューロンの話。「なぜ他人の痛みを見ても自分は痛くならないのか」という問いは、共感や理解の“構造”を考える入口になりますし、数字を思い浮かべるときに、脳が無意識にサイズや位置など別の感覚と結びつけてしまうという指摘は、「理解ってそんなに純粋じゃないんだ」と気づかせてくれます。そして、数学も身体と環境のあいだで立ち上がる“風景”として捉える視点は、抽象的な思考に行き詰まったときの呼吸の置きどころを教えてくれます。 特に、物事を「頭だけで処理しようとして苦しくなる人」にはしっくりくると思います。自分がなぜそう感じるのか、どうしてうまく掴めないのか。その理由が少し見えてくるだけで、考え方の足場が変わってくるはずです。
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