
セルフパブリッシングのための校正術 (群雛文庫)
大西寿男, 伊富魚, 0.9Gravitation, and 鷹野凌
この本について
文章を書いていると、「これって本当に伝わる形になってるのかな…」と不安になることがよくあります。自分で書いて、自分で直していると、どこまでが著者としての判断で、どこからが編集的な目線なのか、だんだん境界があいまいになってくるんですよね。セルフパブだと特にその混乱が起きやすくて、僕も何度も迷いました。 この本が効いてくるのは、まさにその「役割のごちゃつき」を一度ほどいてくれるところです。校正者は創作者ではなく援助職である、という姿勢を知るだけで、文章に向かう態度が少し落ち着きますし、言葉の外側にある社会的な文脈まで含めて読む姿勢は、自分の思い込みに気づく小さなきっかけになります。さらに、紙に印刷して明朝体でゆっくり指で追う、といった具体的な作業方法が、実際の見落としを確実に減らしてくれるのもありがたいところです。 「独りで書いて、独りで直すと視野が狭くなる」と感じている人には特に刺さると思います。校正の技術そのものというより、言葉と向き合うための距離感を取り戻すための一冊。作品を良くしたいけれど、自分の判断だけに頼りきるのが不安なとき、机の端に置いておきたくなる本でした。
読書インサイト
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