
捨てられる銀行 (講談社現代新書)
橋本卓典
講談社 / 2017-04-19
この本について
仕事でも地域でも、「結局、どこを見ればいいのか分からないまま、形式だけが増えていく感じ」が続くときがあります。数字の管理はしているつもりでも、相手の本質を見ている実感がない。銀行に限らず、組織にいるとそんな空気に巻き込まれることがあります。 『捨てられる銀行』を読むと、そのモヤモヤの正体が少しだけ言語化されます。特に刺さったのは、担保や保証に逃げた結果、肝心の顧客との関係が痩せていったという指摘です。これは金融の話に見えて、実は「相手の本当の課題に目を向ける力」がどう失われるのか、そのメカニズムを描いているように読めます。また、広島銀行のように財務だけでなく製品や顧客基盤、技術などを多面的に見ていく姿勢は、目の前の人や組織を評価するときの基準をどう持つかという、実務的なヒントにもなります。 さらに、金融庁が掲げた“企業と地域の成長を最終目標にする”という転換は、自分の仕事でも「数字の安定」と「相手の成長」をどう天秤にかけているのかを考え直すきっかけになります。制度の話が続く本ではありますが、読み進めるほどに、形式主義に押し流されないための視点が拾える一冊でした。 自分の仕事が「相手を見ること」から離れつつある気がしている人に、静かに効く本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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