
まず、戦略思考を変えよ: 戦略マネジャー 8つの心得
田坂広志
この本について
仕事で「先を読む」と言われても、実際には目の前の数字や調整に追われて、どう動けばいいのか分からなくなることがあります。自分でも、主戦場がどこに移っていくのかは気になっているのに、判断が部門目線に引っ張られてしまう瞬間がよくあります。 この本が効いたのは、「未来を当てる」のではなく、「市場の形勢という流れを見る」という視点に切り替えられたところでした。著者が繰り返す“主戦場の移行”という考え方は、先回りしろというプレッシャーではなく、時間をかけてでも「どの方向に重力が働いているか」に気づくことの大切さとして腑に落ちます。また、リーダーほどビジョンを外注できないという話も、きれいごとではなく、組織が迷わないための実務的な役割として語られていて、現場の人間にもひっかかりがあるはずです。 さらに、戦略は論理だけで決められず、矛盾する条件を抱えたまま動くしかない、という説明が妙にリアルです。明確に決めないことで自由度を失う、という指摘も、自分の仕事の癖を思い返すきっかけになります。 こんな人に刺さると思います。未来を読む必要は感じているのに、どう読み方を変えればいいのか曖昧なまま進んでいる人。自分もその一人でしたが、この本はその迷いに静かに手を入れてくれました。
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