
逃げる自由 〈諦める力2〉
為末 大
President Inc / 2016-05-30
この本について
未来のことばかり考えて、今やるべきことが手につかなくなるときがあります。理想の自分と現実の自分の差が気になって、変わりたいのに動けないまま一日が終わっていく。頭では「焦っても仕方ない」とわかっていても、気持ちがついてこないあの感じです。僕自身もよくそこでつまずきます。 為末さんの『逃げる自由』は、そんな「理想と現実のずれ」に疲れたときに、少し呼吸を整えてくれる本でした。ビジョンを探しすぎて現在が空洞になること。相手に期待しすぎて日常がギスギスしてしまうこと。自分を責めるモードに入り込んで抜け出せなくなること。どれも「もっと頑張らなきゃ」と思う人ほど陥りやすい落とし穴だと思います。この本が提示するのは、派手な解決策ではなくて、物の見方をほんの数度だけ動かすような調整です。そのずれが積み重なると、心の負荷がだいぶ軽くなる感覚がありました。 特に、関係性は変えられること、期待値は下げていいこと、そして「いざとなれば離れられる」という感覚が自分を自由にするという話には、妙に救われました。無理に強くなるのではなく、逃げ道を確保したうえで動く方が、結果的に前に進みやすいんだろうなと。 理想を追いたいけれど、理想に縛られてしんどくなっている人に、静かに届く本だと思います。
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