
「がん」では死なない「がん患者」~栄養障害が寿命を縮める~ (光文社新書)
東口 高志
この本について
がんの本を読むときって、「結局、何を気をつければいいのか」がぼんやりしたまま終わることが多くて、読後に少しモヤッとしませんか。治療の選択肢や副作用の話はよく出てくるのに、日々の体調の揺れや疲れやすさがどこから来ているのかまでは、なかなか教えてくれない。僕もそこがずっと引っかかっていました。 この本は、がんを“代謝の病気”として捉え直す視点が軸にあって、読者が抜き出している箇所もほぼみんなそこに反応しているように見えます。がん細胞が好気性解糖に進まず、乳酸を大量に生むことでエネルギーがマイナスになっていく仕組み。サイトカインやPIFで筋肉や脂肪が分解され、栄養が奪われる流れ。そして、乳酸が戻りきらずだるさが抜けない理由。それぞれが体調の“説明のつかなさ”に、ピタッとはまりました。さらに、絶食のタイミングやアルブミン値と予後の関係など、治療中の生活に直結する話が多いのもありがたいところです。単に栄養を摂ろうではなく、どう代謝に乗せるかまで踏み込んでくれます。 治療の着地点をどう決めるかまで含めて、感情も生活もまとめて考える余地をくれる一冊でした。特に、自分や家族の体調の変化に「これって何が起きているんだろう」と感じている人には、静かに効くと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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