
イメージの歴史 (ちくま学芸文庫)
若桑みどり
筑摩書房 / 2012-03
この本について
他者との距離感にモヤっとしたり、「なぜこの価値観が当たり前みたいに扱われるんだろう」と立ち止まる瞬間ってありますよね。仕事でも生活でも、目に入るイメージに自分の考えが左右されている気がするのに、その仕組みがよくわからないまま流されてしまう。でも、だからこそ立ち返る材料がほしい。最近そんな声をよく聞きますし、自分もずっと同じ悩みを抱えていました。 若桑みどり『イメージの歴史』は、そういうモヤモヤに少し風を通してくれる本です。たとえば、「われわれ」と「彼ら」をつくり出すためにイメージが使われてきた歴史を追うと、いま自分が見ている“普通”がどれだけ人工的に形づくられてきたものかが見えてきます。また、宗教画や美徳・悪徳の擬人化のように、存在しない観念を人がどう“形”にしてきたかを知ると、価値観というものがどれほど操作されやすいものかも実感します。さらに、イメージの解釈には唯一の正解がないという視点は、誰かの“当たり前”に巻き込まれそうなときの心の支えになってくれます。 自分の見ている世界がどう形づくられたのかを丁寧に知りたい人、あるいは「なんとなく感じている違和感の正体」を探したい人には特にしっくりくる一冊です。イメージを巡る歴史をたどることは、結局、自分がどんな社会の中で物を見ているのかを知ることでもあるんですよね。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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