
劣等感と人間関係 アドラー心理学を語る
野田 俊作
この本について
人と関わるとき、無意識に上下をつくってしまったり、「あの人のほうができる」「自分ばかり損をしている」と比べてしまったり。頭ではやめたいのに、生活の場面ではつい繰り返してしまうことがあります。私も仕事や家族とのやり取りで、相手を変えようと力が入ってしまい、後から自己嫌悪…という日が何度もありました。 この本が効いたのは、「人間関係をよくする以前に、自分の立ち位置のクセをまず見る」というところでした。たとえば、叱れば伝わると思い込んでいると現実が見えなくなること。縦の関係で振る舞うほど、お互いに不信感が強まってしまうこと。そして、自分が変わる余地だけが現実的にコントロールできる領域だということ。どれも理想論ではなく、家庭や職場の具体的な場面にそのまま置ける話です。親が子に見せる態度がそのまま「モデル」になる、という指摘も、自分のふるまいを静かに振り返らせてくれました。 貢献感や所属感のような、派手ではないけれど人が安心して動ける土台の話が多いので、読んでいて妙に実用的なんです。家族でも職場でも、「どうすれば協力の空気がつくれるのか」を考えたい人にはとても合うと思います。自分の思い込みに気づきたいとき、落ち着いて読み返したくなる一冊です。
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