
本物の思考力(小学館新書)
出口治明
この本について
仕事でも日常でも、判断のたびに「これでいいのか」と立ち止まってしまうことがあります。考えているつもりなのに腹落ちしない感じというか、結局いつも同じ視点から抜け出せないまま時間だけが過ぎていくような、あのもやっとした感覚です。僕自身もそこから抜けられずにいた時期が長くて、考えるってこんなに難しいのか、と正直へこみました。 この本が効いたのは、思考力を「才能」ではなく「練習で鍛える技術」として扱っているところでした。数字やファクトを頼りに、著者の思考のプロセスを追いかけながら読むと、自分の頭が少しずつ動き出す感覚があります。腹に落ちるまで考え抜く、という地味な作業の大事さも、実際の歴史やデータとセットで語られるので納得しやすい。さらに、常識や世代の空気に無自覚に引っ張られる人間の性質にも触れていて、「なぜ今の自分はこう考えるのか」という根の部分まで視界が開けていきます。 結局のところ、一気に賢くなる魔法はなくて、丁寧に読み、考え、また試すしかない。でもその道のりは思っていたほど堅苦しくなく、「いまから始めても遅くない」と自然に思わせてくれます。考えることに前向きな手応えがほしい人に、静かに刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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