
ボクたちはみんな大人になれなかった
燃え殻
講談社 / 2022-04-21
この本について
仕事も人間関係も、とりあえずこなしてはいるけど、「なんか全部うまくやれてない気がする」と立ち止まる夜ってありますよね。前に進みたいのに進めなくて、かといって今の場所にとどまるのもしんどい。強がるほど、自分が中途半端なまま置いていかれているように感じてしまう。 燃え殻さんの『ボクたちはみんな大人になれなかった』は、そういう“どっちつかず”の揺れに妙に寄り添ってくる本でした。例えば、人は「良くなること」にも怯えるという視点や、荷物は軽い方がいいのに手ぶらでは不安だという感覚。どれも自分の小さな矛盾をなかったことにせず、そのままの形で受け止めてくれる文章です。ゴールデン街で出会う一夜限りの会話や、ダサいけど頑丈な幸せへのまなざしも、背伸びしない人生の居場所を教えてくれる感じがありました。 強くも弱くもなりきれないまま、それでも今日を生きている人に向けて書かれているような一冊です。過去にしがみつく瞬間も、未来を見るのが怖い瞬間も、どちらも「そういう日もある」と並走してくれる。大人になれなかった、というより“大人になることにまだ納得していない”誰かには、特に響くと思います。 自分の足元をそっと照らしてほしい夜に、ちょうどいい本です。
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