
深く考える力 (PHP新書)
田坂 広志
PHP研究所 / 2018-02-15
この本について
仕事のことを考えれば考えるほど、視野が狭くなっていく感じがありませんか。アイデアを出しても「これでいいのか」と手が止まったり、人との向き合い方も正解が分からずに疲れてしまったり。僕も同じで、考えているつもりなのに、どこか同じ場所をぐるぐる回っている感覚が抜けませんでした。 田坂広志さんの『深く考える力』は、そんな行き詰まりを力づくで突破するタイプの本ではありません。むしろ、考えるプロセスそのものを静かにほぐしてくれる本です。頭の中にあるアイデアを一度全部出してみること。出したものに固執しないこと。問いを忘れたときに動き出す「もう一人の自分」に任せてみること。どれも劇的ではないけれど、実際にやってみると、不思議と目の前の霧が薄まっていきます。 特に、こだわるべき細部とそうでない細部を見分ける感覚は、日々の仕事で大きく効きました。全部に全力を出すのではなく、力を注ぐ場所をずらすことで、心の余白が戻ってくる感覚があります。部下や同僚との対話についての視点も現実的で、こちらが整うことで相手の表情まで変わるという指摘は、経験的にも腑に落ちました。 「もっと考えられるはずなのに、どうすればいいか分からない」と感じている人には刺さると思います。劇薬ではないけれど、読むたびに思考の深さが一段ずつ下に伸びていく、そんな一冊でした。
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