
天才はあきらめた (朝日文庫)
山里 亮太
株式会社朝日新聞出版
この本について
仕事でも趣味でも、うまくいかない時って「才能がないのかも」とか「自分だけ足りていない気がする」とか、妙な自己嫌悪にハマることがありませんか。しかも、落ち込むだけならまだしも、サボる理由に変わったり、誰かへの嫉妬で余計にしんどくなったりして、気持ちの置き場がなくなることもあると思います。僕もそういう波に定期的に飲まれます。 山里亮太さんの『天才はあきらめた』は、そういう迷いの渦中にいる時に効いてくる本でした。努力がつらいときに「やめなかった理由」がどう積み重なったのか、嫉妬や劣等感をどう“変換”していったのか、そして天狗になる自分との距離の取り方など、精神論ではなく、実際の行動と気持ちの揺れがそのまま書かれているから、自分の生活に置き換えやすいんです。特に、駄目な自分を前提にしながら、それでも続けられる仕組みをつくるところは、読んでいてちょっと安心しました。 「努力すれば報われる」といった綺麗な話ではなくて、むしろ努力を続けるために必要な“自分の扱い方”が淡々と描かれているので、才能に悩む人よりも、地に足をつけてコツコツやるしかない人に刺さると思います。落ち込む理由や嫉妬の瞬間がそのまま前に進む材料になる感覚は、一度味わってみてもらいたいです。
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