
「こころ」はいかにして生まれるのか 最新脳科学で解き明かす「情動」 (ブルーバックス)
櫻井武
講談社 / 2018-10-17
この本について
最近、自分の行動に「なんでこう反応してしまうんだろう」とモヤっとすることが続いていました。意思が弱いとか、気持ちの問題だとか、つい自分を責めがちなんですが、この本を読むと、その前提そのものがけっこうズレていたんだなと思わされます。どうやら、私たちが“自分で決めている”と思っている行動の大半は、もっと深いところで勝手に動いているらしいのです。 とくに刺さったのは、恐怖やストレスの反応が「認知より先に行動が走る」という話でした。たしかに、焦って変な選択をしてしまったあとに、理由を後づけして説明していることってありますよね。あれは欠陥ではなく、脳の構造上そうなっているだけだと知ると、無理に自分を矯正しようとする力が少し抜けました。さらに、前頭前野が万能の司令塔ではなく、深部の回路の暴走に手綱をかける“御者”にすぎないという視点は、日常の反応を別の目で見られるようになります。 この本は、自分の感情や行動のクセを“性格の問題”で片づけてきた人ほど、救われる部分が多いと思います。とくに「つい過剰に反応してしまう理由を知りたい人」に静かに効く一冊です。
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