
草原の風(上中下合本) (中公文庫)
宮城谷昌光
中央公論新社 / 2011-11
この本について
仕事でも人生でも、すべての選択が「これでいいのか」と胸のどこかにひっかかる日ってあります。頑張っているつもりなのに成果が出ない、とか、自分だけ足踏みしている気がするとか。頭で正しさは分かっていても、実行となると途端に迷いが出る。そんなときに、劉秀の姿を追うこの物語は不思議と心が落ち着きます。 劉秀は決して圧倒的な天才タイプではなく、迷いながら、失敗しながら、それでも前に出る人です。たとえば「失敗を恐れすぎると決断が鈍る」という認識や、功臣をどう遇するかで揺れながらも、自分の納得に従おうとする姿勢。あるいは、誰もいない畑で孤独を味わいながら、合理では割り切れないものと向き合い続けた経験。こういう描写が、現実の小さな判断にまでじわっと効いてきます。自分の行動の根っこが少しだけ整う感覚というか、無理に気合を入れるんじゃなく、静かに背筋が伸びる感じがあるんです。 特に、選べるものが少ないと思っているときほど、「両手は空いている」という劉秀の気づきが沁みます。失ったからこそ持てた余白がある、という視点は、今の状況をちがう角度から見直すきっかけになるはずです。 大きな声では言いませんが、迷っている自分と静かに向き合いたい人には向いています。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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