
もっと言ってはいけない(新潮新書) (言ってはいけない)
橘玲
この本について
最近、「なんで社会の議論ってこんなにかみ合わないんだろう」とか、「努力と環境と生まれの関係って、正直どう捉えればいいのか分からない」といったモヤモヤをよく聞きます。僕自身も、事実と価値観がぐちゃっと混ざる場面に出くわすたびに、考え方の土台が揺れる感じがしていました。 『もっと言ってはいけない』は、その土台を一度バラして並べ直すような一冊です。扱っているのは遺伝や知能、民族、リベラリズムなど、普段は触れにくいテーマばかり。ただ、この本は「こうあるべきだ」と押しつけるのではなく、「いまの社会は何を前提に成り立っているのか」を淡々と示してくれるところが助かりました。例えば、能力の発達が年齢とともにどう変わるのかという話は、子どもへの期待や自分のキャリア観の整理にもつながりますし、事実の扱い方と価値判断の切り分けの話は、ニュースやSNSをどう受け取るかにそのまま効きます。日本の会社社会やムラ的な構造の話も、自分がなぜ息苦しさを覚えるのかを説明してくれる感覚がありました。 もちろん、本の中には議論が必要なテーマも多いですし、全部を鵜呑みにする必要はありません。でも、いまの社会をどう読むか迷っている人にとっては、視界が一段クリアになる瞬間がいくつかあるはずです。 「事実と価値観のあいだで揺れている人」に特に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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