
誰でもできる 催眠術の教科書 (光文社知恵の森文庫)
林 貞年
この本について
人と話していて、「なんでこんなに思い込みに振り回されるんだろう」と感じることがよくあります。相手の表情が少し曇っただけで悪い予感が膨らんだり、緊張しているときに身体がうまく動かなかったり。頭では「勘違いかもしれない」とわかっていても、気持ちまでは操作できないものですよね。 この本を読んでいて刺さったのは、「思い込みは誰にでも起きる」という、ごく当たり前なのに忘れがちな前提でした。幽霊が見えるのも、味が変わって感じるのも、身体が勝手に重くなるのも、特別な人だけの現象ではありません。むしろ、人間であれば自然と起きる“錯覚の仕組み”をどう扱うかだけの話なんです。催眠術というと派手なエンタメを想像しがちですが、実際はもっと地味で、人間の注意や身体の緊張といったベースの部分を丁寧に見ていく作業に近いとわかりました。 特に印象に残ったのは、相手を操作する技術ではなく「関係性のほうが優先される」という説明です。どんな暗示より、相手が何を大切にしているかのほうが強い。これは仕事のコミュニケーションにもそのまま当てはまると感じました。もう一つ、自分の雑念や緊張を身体側から整えていくアプローチも、日常に持ち込める視点でした。 「自分の認識の揺れがどこから来ているのかを知りたい人」には、静かに効く本だと思います。催眠を学びたい人だけじゃなく、思い込みに振り回されやすい自覚がある人にほど刺さる内容でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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