
催眠術入門――自分と他人の心を自在にあやつる心理術
多湖輝
ゴマブックス株式会社 / 2014-09-06
この本について
人と話していて、なぜかうまく距離がつかめないときがありますよね。相手の緊張をほぐしたいだけなのに、こちらの声かけが逆に構えさせてしまう。あるいは、自分の不安が頭の中で暴れて、落ち着きたいだけなのに落ち着けない。そんな「どう扱えばいいのかわからない心」に向き合うために、この本がけっこう実用的でした。 読者が保存していた抜粋を見ても、響いているのは派手なテクニックより「準備」や「環境づくり」「非指示的な関わり方」の部分なんですよね。催眠という言葉から想像するような強制力とは真逆で、実際は相手や自分が安心できる状態をつくる地味なステップが中心です。たとえば、静かな場所で呼吸を整えるだけで思考がゆるむ感覚や、相手の美点をそっと拾って伝えるだけで場の空気が変わる感じ。こういう小さな変化が、気持ちの迷路から抜ける糸口になるんだと思います。 また、非指示的なやり方が効果的という話も、日常の対話にそのまま持ち込めます。相手を誘導しようとするほど動かなくなるあの感じ、誰もが経験ありますよね。むしろ相手のペースを尊重したほうが、結果として良い方向に転がる。この本はその理由を、難しい言葉を使わずに説明してくれます。 自分の気分を整える方法を探している人や、人とのやりとりで気疲れしやすい人に合う一冊だと思います。
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